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〈ライブレポート〉
            
           7月23日、通算11回目のBreak Station Liveが東京駅で行われた。
          アルバム発売月間とあってLiveや即興劇など、MAYUKOの世界に触れる機会は多いが、
          Break Station Liveとなると、前回より3ヶ月もの時が経過している。
          自分が初めてMAYUKOの音楽に直に接したのが約1年前、この東京駅でのBreak
          Station Liveであることもあって
          この場所でのLiveは特別な感情が湧いてくる気がする。
          今回のLiveでは、そんな1年前の自分のように初めてMAYUKOの世界に接する方々が多数見受けられた。
          MAYUKOを知って初めてその世界に触れる人、偶然ここを通りかかってその世界に触れた人、
          どちらの人の心にも何かが響けばいいなと思う。
        
          MAYUKO登場。1曲目は『つぶれたメガホン』。
          今まさに、甲子園を目指し最後の夏を戦っている高校球児。そんな選手の姿を、
          その背中に淡い恋心を抱いた少女から描いた世界。
          静かなピアノの旋律で描かれたその世界は、寂しげでありながらも「ひとつ大人になる」という詩に現れるように、
          少年と少女の成長を力強く感じさせる、そんな印象を与える。
        
          そして、自己紹介。「ピアノ弾き語りアーティストのMAYUKOです。」
          そう、ピアノの弾き語りでのLiveも実に、2ヶ月振りとなって、弾き語りのみのLiveを初めて体験される方も
          おられるのではないでしょうか。ここでは、七夕の日に発売になったミニアルバム「蒼空」を紹介。
        
          2曲目はミニアルバムのタイトル曲『蒼空』。
          ただ眺めていただけの蒼空。それが、蒼空だということにさえ気づかない程に…。
          そんな心に届くのは本当の想い。そのことに気づいた時、初めて自分の目の前に広がるのが蒼空だということに気づく。
          そして、自分の想いにも。
          その心の変化が、曇り空から日が差して、晴れ渡る空が広がっていくような印象を与える。
          アルバムのタイトル「蒼空」を現す曲だ。
        
          3曲目は『信号が青に変わって』。
          聴くことのできなかった、今はもうとなりにはいないヒトとの思い出の曲。大丈夫だと思って聴いてみたが、
          涙がこぼれてしまう。そんな、別れた恋人への想いを歌った曲だ。
          「信号が青に変わって 先に歩き出したのは僕君は僕のあとについて
          来ると思ってた
          でも もういない君は もういない」
          自分と彼女が別々のものを見るようになっていたことを象徴する1節。勘違いではない心のすれ違いが、
          別れの寂しさを感じさせる。
        
          4曲目の『聞こえるよ』は、MAYUKOの学生時代の友人との約束を歌った曲だ。
          これからは、別々の道を歩んでいく友人とのただ一つの約束、それは「絶対にがんばる」ということ。
          今の自分は、がんばっていると言えるか?と自分に問いかけている姿が
          、詩とそれを歌っているMAYUKOから感じられる。
          この曲を忘れることなく歌っているということが、友人との約束の証であると感じられる。
        
          今後の活動予定、CDの販売などの告知を行い、最後の曲は『ねがい』。
          MAYUKOの生まれ育った街に広がる夜空。漆黒に広がるはずのその空はオレンジ色をしている。
          「地球は青いけど…、どうして」そう問いかける彼女の心に想うのは、世界の平和。
          その「ねがい」が少しでも多く叶うことを思わずにはいられない。
          この曲は、CDではピアノではなく、上松美香が奏でるアルパのメロディーにのせて歌っている。
          アルパの奏でる、静かに語りかけるような「ねがい」も是非聞いて頂きたいと思う。
        
          Liveが終了し、CD販売のために移動。そこで交わされる笑顔と言葉。
          東京駅という、本当はただ通り過ぎるだけだったかもしれない場所でMAYUKOに出会い、その世界に触れ、
          共感されている姿が今日のLiveを象徴しているように思う。
          その姿をもっといろいろな場所、そしていろいろな人と見られる日が来ることを願って…。
        
(Text by Tak@P)