2004.10.25 原宿 ルイード

 

当日配布されたプログラム

通算33回目となるMAYUKOさんのライブは
原宿ルイードで行われました。

BGMが止み、静寂の中をMAYUKOさんが
奏でる音の葉が、ライブの始まりを告げる。

『美しい悪夢』
「ざわめかせた胸を立ち割り 流れ落ちる 色なき滴」
そして一番暗いとされる「夜明け前の空」
張り裂けんばかりの心の痛み、虚無感
そして、絶望の深さを、見事なまでに、
端的に表現した詞(ことば)が、
それこそ美しいメロディーに乗って聴く者の心を打つ。
多くの人がこの歌に心動かされるのが分かります。

MC
「どうもありがとうございます。
こんにちは。弾き語りアーティストのMAYUKOです。
原宿ルイードに、ようこそ!お越しくださいました。
短い時間ですけれども、
最後まで楽しんでいってもらえたらと思います。
続いてお贈りする曲は『つぶれたメガホン』。

『つぶれたメガホン』
敗北ー失敗、挫折から学ぶもの。
そしてそこから、立ち直ったとき人は、
本当の強さを手に入れられる。
栄光をつかめなかった「君に憧れ続ける」と歌い、
人それぞれに栄光(輝き)は存在しうることを
教えてくれる一曲となっています。

甲子園をテーマにして創ったということで、
夏に歌われるのが相応しい感がありますが、
それぞれが次の年の目標を具体的に定め始める、こうした時期に
届けられたこの曲で、新たな一歩へ思いが及びます。
きっと「君」は未来に向かって、もう歩き出していることでしょう。

ちなみに今年の春に優勝、夏に準優勝した愛媛代表の済美高校の校歌に
「やれば出来るは魔法の合いことば」というフレーズがあり、話題になっています。

MC
「次は二曲続けてお聴きください。
 すごく幸せなLOVE SONG 『幸せに・・なろうね』
 そして『君のもとへ』」

『幸せに・・なろうね』
溢れ出す幸せな気持ちをストレートに表現した一曲。
「春夏秋も冬も 幸せに・・なろうね」
この曲に於いて一番響いてくる詞(ことば)。
"永遠に″とか "ずっとずっと″ではなく、“春夏秋冬”。
一つ一つの出来事を大事に心に刻み、
一日一日を積み重ねていく、
その延長線上にあるものー
それが“春夏秋冬”という表現に繋がっているのではないでしょうか?

その時そのときを大切にしているMAYUKOさんの
姿勢が如実に表れています。
会場全体が幸せな空気に包まれたことは云うまでもありません。

『君のもとへ』
他の方への提供曲だけれども、
MAYUKOさん自身演奏するのが大好きだという一曲。
「君」というのは故郷のお母さんのことで、
切なくも温かい気持ちを抱かせます。
“あなたがいるから、故郷があるから頑張れる、
どんな時も忘れない”と語りかけています。
しかしながら、最後の
「いつも いつも 忘れない」
「いつも いつも そばにいるよ」と歌っているところは
逆に故郷のお母さんから、語りかけているように聴こえます。
MAYUKOさん曰く「お互い響き合っているようなイメージも持たせた」
との事です。

「ここでいくつかMAYUKO情報をお届けしたいと思います。
次のライブが11月9日渋谷7th floor オープンが18:30、スタートが19:00
私は一番目の出演なので、間に合うように来て頂けたらと思います。
そしてちょっと間が開きますが、12月19日クリスマスイベントを
アミュー立川サブホールで、その2日後に吉祥寺曼荼羅でライブをやります。
色々決まってますので、ぜひ会いに来てください。
MAYUKOホームページもぜひご覧ください。
今日のライブの感想とか書いてくださると嬉しいです。」

そして本日最後のMCで、ライブの2日前に起こってしまった
新潟地方を中心に多大な被害をもたらした「大地震」について触れられました。
ご自身の親族や友人には新潟の人はいないけれども、
東京駅ステーションライブでお会いした人の中に新潟の住んでいらっしゃる方がいて、
その人のことが真っ先に頭に浮かび、心配していたとの事です。
その方は東京に出張に来ていて難を逃れたそうですが、
その方からのメールで知った現地の惨状に心を痛めておられました。
それは会場にいた人すべてに共通するものだったはずです。

「今日もこうして無事でいられることを当たり前ではないんだなぁと本当に実感します。」
「私のできることはとても少ないと思うんですけれども、
 最後の曲を心を込めて歌いたいと思います。
 LOVE SONGなんですけれども一緒にいられる幸せというのは
 当たり前のことではないよ、だから大事にしようねということを歌っています。
 最後に聴いてください。」

『ただ好きなだけで』
今日、この歌声はどのように会場の人に届いたのだろうか?
今生きていることの意味を、そして生きていくことの素晴らしさを
MAYUKOさんは祈りを込めて紡ぎだしていました。

有り触れた日々の中で気づかずにいる幸せ。
この一瞬一瞬を愛しく思いながら、歩を進めよう。

会場の聴衆に目をやり、
その存在を確認しながら、その一人一人に対して、
歌に込めた想いを確実に届けようとしているMAYUKOさんの
音楽、そしてファンへの真摯な姿勢に、ライブの度に心打たれます。

今回のルイードライブでも、たくさんの温かいお土産を頂いて帰りました。
MAYUKOさんが歌で届けようとしている想いを捜し求め、
出会いたいと思っている人が、本当に大勢いるのだと思います。
そんな人たちに、届くようにこれからも、素晴らしい歌を響かせてください。

最後に、台風や震災に遭われた方に思いを馳せながら、レポートを終えます。

(text by マース)
「遠い思い出を繰り返す夜は、自分の居場所を確かめるよう」
以前聞いたアマゾンの先住民の人のことばで
「人はどこから来て、どこへ行くのか?」というのがあります。
自分達が今あるのは自分の先祖・家族、生まれ故郷、文化があるが故で、
それらとの結びつきを抜きにしては考えられない。、
そして今度は次の世代にそれらを譲り渡す、そんなことを説いたものだそうです。
今日この『君のもとへ』を聴いて、ふと思い出しました。

MC